IFRS_開示例研究会 第6回 報告企業、作成の基礎、見積り

  • 2017年4月6日
  • 2017年5月14日
  • 会計

1. 報告企業

 IAS 第1号「財務諸表の表示」によれば、次の事項が財務諸表とともに公表される情 報のどこにも開示されていない場合には、当該事項を開示しなければならないとさ れている(138 項)。
(a)当該企業の本拠地及び法的形態法人設立国並びに登記上の本社の住所(又は 登記住所と異なる場合の主要な事業所の所在地)
(b)当該企業の事業内容及び主要な活動に関する記述

(c) 親企業の名称及びグループの最終的な親会社の名称

(解説)有価証券報告書には、(a)は通常記載されますから、(b)(c)について文章で記載している事例が多いのではないかと思います。ホームページに記載している場合、アドレスを記載して読者に参照させている会社もありますね。

2. 作成の基礎

■IAS 第 1 号「財務諸表の表示」によれば、財務諸表の作成の基礎に関する情報を開示することとされている(112 項(a))。

■IAS 第 1 号によれば、IFRS に準拠している旨の明示的かつ無限定の記述を注記にお いて行わなければならないとされている。なお、財務諸表が IFRS のすべての規定に 準拠していない限り、当該財務諸表が IFRS に準拠していると記載してはならないと されている(16 項)。

■ IAS 第 1 号によれば、財務諸表を作成する際に使用した測定基礎を開示しなければな らないとされている(117 項(a))。この点について、IAS 第 1 号では、企業が財務諸表に使用した測定基礎(例えば、取得原価、現在原価、正味実現可能価額、公正価 値又は回収可能価額)を利用者に知らせることは重要であるとされている(118 項)。

■IAS 第 1 号によれば、表示通貨についての情報を目立つように表示し、表示する情報を理解可能なものとするために必要な情報は反復されなければならないとされてい る(51 項(d))。

■IAS 第 10 号「後発事象」によれば、財務諸表の発行の承認日及び誰がその承認を行ったかを開示しなければならないとされている(17 項)。

(解説)

・測定基礎としては公正価値を使用している科目などを個別に文章で記載していることが多いかと思います。

・上記には記載がありませんが、事例としては作成の基礎の中で、以下について開示している例が多いです。

✓見積り及び判断の利用

✓会計方針の変更

・見積もりについては、ついでなので以下記載します(金融庁資料では別ページに記載がありました)。

4. 重要な会計上の見積り及び判断

■IAS 第 1 号「財務諸表の表示」によれば、重要な会計方針又は注記において、見積り を伴う判断(125 項参照)とは別に、経営者が会計方針を適用する過程で行った判断 のうち、財務諸表において計上されている金額に最も重要な影響を与えているもの を開示しなければならないとされている(122 項)。

■また、報告期間の末日における、将来に関して行う仮定及び見積りの不確実性の他 の主要な発生要因のうち、翌事業年度中に資産及び負債の帳簿価額に重要性のある修正を生じる重要なリスクがあるものに関する情報を開示しなければならないとさ れている(125 項)。

■IAS 第 1 号によれば、125 項の開示を、経営者が将来について及び見積りの不確実性の発生要因について行う判断を財務諸表利用者が理解するのに役立つ方法で表示することとされている。提供される情報の内容と範囲は、仮定の内容及びその他の状 況に応じて変わってくる。企業が行う開示のタイプの例として、次のようなものが 挙げられている(129 項)。

(a)  仮定又はその他の見積りの不確実性の内容

(b)  計算の基礎となる方法、仮定及び見積りに対する帳簿価額の感応度(その感応 度の理由を含む)

(c)  不確実性についての予想される解決、及び翌事業年度中に合理的に生じる可能性のある結果の範囲(影響を受ける資産及び負債の帳簿価額に関して)

(d)  当該資産及び負債に関する過去の仮定について行った変更の説明(その不確実性が未解消のままである場合)

なお、上記 125 項の開示を行う際に予算情報や予測を開示することは要求されていない(130 項)。

■IAS 第 1 号によれば、報告期間の末日時点における仮定又は他の見積りの不確実性の 発生要因が与える可能性のある影響の範囲を開示することが実務上不可能な場合に は、既存の知識に基づいて、翌事業年度中に仮定と異なる結果が生じることにより、 影響を受ける資産又は負債の帳簿価額に重要性のある修正が必要となることが合理的に生じ得る旨を開示することとされている(131 項)。

(解説)

・こちらの見積りの内容説明については、注記されている各項目の中で文章記載されることが多いです。