IFRS開示事例研究会-第12回 CF計算書

  • 2017年7月12日
  • 2017年7月14日
  • 会計

今回はCF計算書です。

結論から言うと、日本基準とほぼ同じです。

5. 連結キャッシュ・フロー計算書

■IAS 第 7 号「キャッシュ・フロー計算書」によれば、期中のキャッシュ・フローを営 業、投資及び財務の諸活動に区分して報告しなければならないとされている(10 項)。

■また、IAS 第 7 号によれば、営業活動によるキャッシュ・フローを次のいずれかを用 いて報告しなければならないとされている(18 項)。

(a)  直接法、(b)  間接法

(説明)

○  IAS 第 7 号によれば、直接法により報告することが推奨されている(19 項)が、本開 示例では、実例を参考に、間接法により表示する例を示している。

○  IAS 第 7 号によれば、間接法により営業活動によるキャッシュ・フローを表示する場合、「純損益」から調整を行うこととされている(20 項)。IAS 第 7 号の設例によれば、「税金控除前利益」から調整が行われているが、本開示例では、実例を参考に、税金 控除後の純損益(当期利益)から調整を行う方法を記載している。

→日本基準と同じ開示実務で通用しますね。

 

連結キャッシュ・フロー計算書

 

(単位:百万円)

 

注記

自 2014 年 4 月 1 日

至 2015 年 3 月 31 日

自 2015 年 4 月 1 日

至 2016 年 3 月 31 日

営業活動によるキャッシュ・フロー
当期利益
減価償却費及び償却費
減損損失(又は戻入れ)
金融収益
金融費用
持分法による投資利益
有形固定資産売却益
法人所得税費用
営業債権の増減
棚卸資産の増減
営業債務の増減
引当金の増減
退職給付に係る負債の増減
その他
(小計)
利息の受取額
配当金の受取額
利息の支払額
法人所得税の支払額
営業活動によるキャッシュ・フロー

 

 

注記

自 2014 年 4 月 1 日

至 2015 年 3 月 31 日

自 2015 年 4 月 1 日

至 2016 年 3 月 31 日

投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得による支出
有形固定資産の売却による収入
無形資産の取得による支出
貸付けによる支出
貸付金の回収による収入
投資有価証券の取得による支出
投資有価証券の売却による収入
子会社の取得による支出 7
子会社の売却による収入
その他
投資活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入金の純増減額
長期借入れによる収入
長期借入金の返済による支出
社債の発行による収入
社債の償還による支出
新株の発行による収入
ストック・オプションの行使による収入
非支配持分からの払込による収入
非支配持分からの子会社持分取得による 支出
自己株式の取得による支出
配当金の支払額 24
非支配持分への配当金の支払額
その他
財務活動によるキャッシュ・フロー
現金及び現金同等物の増加額
現金及び現金同等物の期首残高
現金及び現金同等物の為替変動による影響
現金及び現金同等物の期末残高 8

 

8. 現金及び現金同等物

■IAS 第 7 号「キャッシュ・フロー計算書」によれば、現金は手許預金と要求払預金か らなり、現金同等物は、短期の流動性の高い投資のうち、容易に一定の金額に換金 可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わないものと定義され ている(6 項)。

■その上で、IAS 第 7 号によれば、現金及び現金同等物の内容を開示し、キャッシュ・ フロー計算書におけるこれらの金額と、財政状態計算書で報告している相当する項 目との調整を表示することとされている(45 項)。

■ また、IAS 第 7 号によれば、保有する現金及び現金同等物の残高のうち、当該企業グ ループが利用できない重要な金額を、経営者による説明とともに開示しなければな らないとされている(48 項)。

 

【表 8】現金及び現金同等物

(説明)

○ 上記 IAS 第 7 号 45 項の規定に基づき、「現金及び預金」に加え、現金同等物として「短期投資」を示すとともに、財政状態計算書及びキャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物残高に差異がある場合の調整を表形式により開示する例を以下に示 している。

(単位:百万円)

2015 年 3 月 31 日 2016 年 3 月 31 日
現金及び預金
短期投資
連結財政状態計算書における現金及び現金同等物
当座借越
連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現 金同等物

→日本基準とほぼ同じですね。

 

また企業結合に関連して、以下のCFにかかる注記規定も存在します。

IAS 第 7 号「キャッシュ・フロー計算書」によれば、期中の子会社又はその他の事業に対する支配の獲得と喪失の両方に関して、次の各項目を総額で開示しなければな らないとされている(40 項)。

(a)  支払対価又は受取対価の合計

(b)  対価のうち現金及び現金同等物で構成される部分

(c)  支配を獲得又は喪失した子会社又はその他の事業の中の、現金及び現金同等物 の金額

(d)  支配を獲得又は喪失した子会社又はその他の事業の中の、現金又は現金同等物 以外の資産及び負債の金額(主要な区分ごとに要約)

→日本基準でも同様の注記は存在しますが、重要性で省略していい規定にはなっていません。すべての案件合計値を記載するなら、CF計算書のCFO金額と整合させる必要があります。

 

31. 非資金取引

■IAS 第 7 号「キャッシュ・フロー計算書」によれば、現金及び現金同等物の使用を必 要としない投資及び財務取引は、キャッシュ・フロー計算書から除外し、投資及び 財務活動に関するすべての関連性のある情報が提供されるような方法で、財務諸表 の他の箇所において開示しなければならないとされている(43 項)。

■なお、IAS 第 7 号によれば、現金及び現金同等物の使用を必要としない投資及び財務 取引(非資金取引)の例には、次のものがあるとされている(44 項)。

(a)  取得する資産に直接関連する負債の引受け又はファイナンス・リースによる資 産の取得

(b)  持分の発行による企業の取得

(c)  負債の資本への転換

【表 31】非資金取引

(説明)

○  上記       IAS 第 7 号 43 項及び 44 項の規定に基づき、ファイナンス・リースによる資産の 取得金額を表形式により開示する例を以下に示している。

(単位:百万円)

自 2014 年 4 月 1 日

至 2015 年 3 月 31 日

自 2015 年 4 月 1 日

至 2016 年 3 月 31 日

ファイナンス・リースによる資産の取得