いつぞやに記載した記事の続きです。
私は大手監査法人で勤務していますが、大手監査法人で感じるメリットとして大きいと思うのが以下です。
多種多様な会計・監査サービスを経験できる。しかもそのクオリティは基本的に高い。
大手監査法人は事業部制を採用しており、5から10個くらいの事業部に分かれていると思いますが、各事業部の規模も非常に大きいため、多くの業務に触れられる機会があります。例えば、
・法定監査(この法定監査でも、クライアントの業種が多岐にわたるため、本当に様々な特徴ある会計処理に触れることができます)
・任意監査(IPO部門や超Bigクライアント関係の仕事なんかで多いと思います。)
・英文監査
・コンフォートレター(社債発行時など)
・IFRS業務(IFRS監査のほか、アドバイザリー案件も多く発生します)
・その他アドバイザリー(内部統制など多くの種類があります)
など、通常の監査事業部にいても数多くの業務に触れることができます。
何年も監査事業部にいて、「監査だけ経験」って人は少ないような気がします。もしいらっしゃったら、絶対手をあげてこれをやりたい、あれをやりたいと言った方がいいと思います。やってるときはきついけど、あとあといい経験だったと思うことが多いので。
また所属する事業部の仕事に飽きたら、手をあげて本部の専門部署(各監査チームを知識面でサポートする、いわば「先生の先生」部隊)に異動もできますし、海外駐在、事業会社や金融庁を含む外部機関への出向、IPO、M&A部隊、コンサルティング部隊などへの異動も日常茶飯事です(もちろん異動できるかどうかはその時の状況にもよる)。会計士として、これ以上の舞台は無いのかもしれません。
あとは監査やアドバイザリのクオリティですが、大手は明らかに高いと言われています(中小監査法人の経験者から聞いた話ですが、皆そう言います)。
思うに、事例の多さ、専門部署の多さ、また何と言っても会計士としてのプライドの高さ・ド根性(大手だからなのか、仕事の質に対するプライド・責任感は本当に高いと感じることも多いです)が中小よりも規模的に勝っていることも大きいのかなと思います。※決して大手以外の質が低いと言いたいわけではありません。業務クオリティが高い監査法人やファームはたくさんあると思います。ただ大手は組織の規模が大きいので相対的に優秀な人間が多く、規模の経済力的なものがあるとだけ言わせてください。
本部の専門的なサポート部署だけでも、何十人~何百人といますし、提携している海外のファームとの連携もあるので、最新情報などの入手も容易なのだと思います。
うまくハマれば、大手で出世を目指すという道は会計士人生として決して悪いものではないと思います。