最近は、会計士が事業会社に出向することが増えてきているように思います。
監査法人側から人を送り込み、見返りとして業務を受注してるのかどうなのかはわかりませんが、企業としては会計に詳しい人材を使えるし、会計士としては企業側の実態を知れるし貴重な経験を積むことでハイブリッドな会計士になれるということで、win-winの関係を築くことができます。win-winであれば、その取り組みは広がって当然ですよね。
私も事業会社の経理で働いた経験がありますが、その経験談をお話していきたいと思います。
まずは、ポジティブな面から書いていこうと思います。
基本的に、監査で培った経験は経理でもかなり活かせます。インチャージともなれば、会計に関する難しい論点を数多くさばいていく必要がありますが、その過程で蓄積された知識や経験というのは、実はかなりのものだったことに気づく筈です。勿論、言い方は失礼ですが、事業会社の経理のレベルによって、持っている知識や経験が価値のあるものなのかには差がありますが、それでも会計に関してはやはり会計士はかなりのものだったということに気づくことになります。
出向という形であれば、本籍の監査法人との繋がりも強いですから、分からないことがあれば監査法人からの貸与PCがあればこちらで確認できますし、監査法人仲間に相談することもできるでしょう。そうすれば、大抵の論点については対応することが可能になるのではないかと思います。
貸与PCがあることを前提とすると、監査法人のツールも丸ごと使えますので、会計論点をより深く検討することができるようになるでしょう。その分だけ会計への理解が深まり、より実践的な実務経験になっていくと思います。
監査法人時代は監査に関する検討時間も多く、会計に割ける時間も割と限定されることも多いのですが、監査をやらない分、会計に関与する時間はかなり増えますので、会計好きの方にとってはいい環境になると思います。
本当にコアな会計マニアであれば、監査法人の品質管理部などに行った方が専門性は高まりますが、クライアントの立場になって検討するというのは、本当に面白いものでした。自分の思った通りの処理を提案して説得する作業は、なんともやり甲斐のある、楽しいものでした。
今回は、出向による経理業務は、
監査法人のツールを利用しながらも、
会計に関する論点に時間を多く割ける、
非常にやり甲斐のあるものである点について記載すました。次回以降、さらにメリット面を記載していきます。