と、ブリヂストン元CEOとして大きな実績を残した荒川詔四氏は仰います。
そうなると、小心者の私も少しは勇気が沸いてくるものです。
氏の書籍はまだ読めていませんが、リンク先であるダイヤモンドの記事のうち、印象に残った一節をひとつ。
たとえば、利益と品質。事業を健全に進めるためには、適正な利益を確保しなければなりません。だから、原価率をできるだけ下げて、利益を確保する不断の努力は必要不可欠です。その不断の努力があってこそ、異次元の製品・サービスを生み出すイノベーションは生まれるのです。 ところが、経営状況が悪化したときなどには、こうした健全な努力を逸脱する誘引が働きます。品質を落としてでも原価率を下げることによって、利益を確保できるのではないか……。その気持ちは、わからないではありません。経営者にとって利益は重要な指標ですから、この数字が悪化するのが恐い。なんとか利益を出したいというのは、経営者に共通する切実な願いだからです。
しかし、これが危ない。ビジネスとは、お客様に信頼されるからこそ成立するものですから、「高い品質が第一」と掲げているなら、これは絶対に外せない原理原則。それをなおざりにすることによって、お客様の満足よりも“不健全な利益”を優先する組織に変質していくでしょう。その結果、短期的には利益を得られても、お客様の信頼を徐々に失い、長期的に衰退していくほかなくなるのです。 さらにエスカレートすれば、「ウソをつかない」という原理原則すらも逸脱しかねません。たとえば原材料偽装。お客様には高品質な原材料を使っているとウソをつきながら、安価で粗悪な原材料を使って利益を出そうとするわけです。ここまで来てしまえば、社会的制裁は避けられないでしょう。 |
われわれ経理や監査に携わる人間は基本的にサービス業に該当しますが、業務の品質を高めるために日々努力や判断が必要であることは言うまでもありません。
サービスの品質は、適材適所な人財配置、深い論理思考と問題意識、愚直なまでの提出文書の見直し、職業的懐疑心など多くの側面によって決まってくると思います。
基本的に、限られた時間でいかに高い品質を目指していくかというところに、プロ仕事の真髄があると思っていまして、(私なんぞはたいしたことはないかもしれないのですが)そのような意識を持って業務をしなければ、プロには近づけないとあらためてハッと思い知らされました。
たとえば、利益が出にくいなど、厳しい仕事をやる場合に、「効率化する(良い意味で手を抜く)」ということを果たしてやっていいのか。
やらざるを得ないとして何をどこまで許容するのか。
顧客が求めていることは何なのか。どのレベルなのか。
何を優先し、何を捨てるのか。
過剰な・無駄なサービスをやろうとしていないか。
プロとして果たすべき責任は今現在何なのか。
業務というのは究極的にはこのような判断を常にやっていくものだと思っています。
無限に時間があるわけではないのですが、基本的に品質は下げられません。
なので、品質を下げずにどのように業務の効率性を高めていくかというのを考えるところに、プロジェクトのマネジメントの面白さを感じるときがあります(大変なんですけど・・・)。
一流企業の経営者は、やはり何かしら信念をもって動いていますよね。
自分もプロの端くれとして、品質にこだわるところが無いとだダメだとあらためて感じました。