を読みました。
「監査のつまらなさ」は今に始まったことではないし、
「会議室にこもってPCと睨めっこ」も昔からある話だと思います。
個人的にここ10年くらいの変化で大きいなあと思うのは、
「監査の現場はアリバイ作りの積み重ねのようになった」というところ。
確かに、そういうとこ、あります。
もちろん昔からあった話かもしれませんが、
とにかく監査、会計ともに求められるレベル、作業量が増えているにもかかわらず、質・量ともに監査人が足りないので対応しきれないのが根本的な原因なんでしょうね。
そして、監査に関して具体的な作業レベルでの要求水準を高めさせているのが投資家ではなく、
金融庁とか会計・監査の専門家的な人たちなので、要求する論点が何だかズレているんじゃないかと思っています(本当にそれが世の中に必要なのか!?という観点で)。
監査の細かいルールの話でどーだこーだと言って時間を浪費しているのです。
数字的な結論変わらないのに。
会計とか監査って、本当に難しいと思いますね。答えが一つではないので。
けれど、複雑な話ほどシンプルに考えないといけません。そこが腕の見せ所なのです。
そして完璧主義的な行動はリスクアプローチに反すると思います。
監査に携わる人全員が、全体目線・市場目線・世の中目線をもって仕事をしないと、もたないでしょう。
企業も、これまでのような感覚で経理はできないと思います。
なんといっても会計リテラシー、論理的な説明能力の向上が求められていると感じます。
投資家目線で自社の数字をよく考えて何を説明すべきなのか、何が重要なのか判断していく必要があります。
監査人は所詮自分で経営判断できないので、経理マンの肩代わりはできません。
優秀な経理マンが、しっかりとした論理力を駆使するなどして会計実務を引っ張っていくことも重要な検討課題だと思います。
監査だけ強化しようとしても、目的の達成は難しい。
監査人には「経理マンが頭を悩ますような複雑で難解な論点の解決」、「見つけるべき重要な誤謬/不正を確実に発見すること」、「実施した手続を、堂々と論理的に説明すること」に関する能力を伸ばしていくべきでしょうね。
そこに楽しみを見出せないと、監査はつらいでしょう。