(会計士が読んでみた)会計の世界史 500年の物語

  • 2019年1月16日
  • 2019年1月16日
  • 会計

【結論】会計の歴史系の書籍では、No.1の完成度でした。

相当程度の会計と世界史のリンク具合で、大学でやったような内容だが、わかりやすく興味がわいてくる!

【読んで思ったこと】

1.まさに会計は、人類の発展とともにあったことがよくわかった。ストーリー仕立てで大変読みやすく、サクサク進みます。

2.会計の歴史は、簿記→財務会計→管理会計→ファイナンスであった。管理会計をマスターするには、財務会計をこなせなければならない。管理会計やファイナンスの重要性をあらためて認識した。

そしてさらにこれからも会計が進化を続けるためには、会計を新たに定義・創造していく必要がある。

3.会計士試験受験校や監査法人、事業会社ではこのような会計の”歴史”を学ぶことは少ない(大学では意外に結構あるかもしれない)が、歴史を紐解くと、会計はまさに時代が求めるあり方に応じて、適応し、変化してきたことがわかる。
いつの時代でも会計は、人々に求められている。 これは間違いない。

4.財務会計を扱う者は、これからはIFRSのような時価会計に基づく理解・考え方を身につけていかないと、計算の趣旨・目的・背景を理解出来ないまま取り残されていくと思われる。というか、IFRSはもはやファイナンスだと思う。

伝統的な製造業を見据えた旧式の日本基準では、複雑な企業活動を描写できなくなっていくかもしれない。しかし逆を言えば、日本がモノヅクリを重視し続けるのであれば、日本企業にとって、日本基準こそがベストな会計基準であり続けるのかもしれない。

日本企業の”生産性”が厳しく問われている今、会計ができることは何なのか考えるきっかけになった。

【気になったこと】

5.値段がやや高い!しかしこれだけの取材をしているのだから、仕方ないとも思う。

6.長い!しかし上でも書いたとおり、サクサク読み進められるので、あまり気にならなかった。

興味のある方、是非ご一読あれ!


会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語