【結論】会計の歴史系の書籍では、No.1の完成度でした。
相当程度の会計と世界史のリンク具合で、大学でやったような内容だが、わかりやすく興味がわいてくる!
【読んで思ったこと】
1.まさに会計は、人類の発展とともにあったことがよくわかった。ストーリー仕立てで大変読みやすく、サクサク進みます。
2.会計の歴史は、簿記→財務会計→管理会計→ファイナンスであった。管理会計をマスターするには、財務会計をこなせなければならない。管理会計やファイナンスの重要性をあらためて認識した。
そしてさらにこれからも会計が進化を続けるためには、会計を新たに定義・創造していく必要がある。
3.会計士試験受験校や監査法人、事業会社ではこのような会計の”歴史”を学ぶことは少ない(大学では意外に結構あるかもしれない)が、歴史を紐解くと、会計はまさに時代が求めるあり方に応じて、適応し、変化してきたことがわかる。
いつの時代でも会計は、人々に求められている。 これは間違いない。
4.財務会計を扱う者は、これからはIFRSのような時価会計に基づく理解・考え方を身につけていかないと、計算の趣旨・目的・背景を理解出来ないまま取り残されていくと思われる。というか、IFRSはもはやファイナンスだと思う。
伝統的な製造業を見据えた旧式の日本基準では、複雑な企業活動を描写できなくなっていくかもしれない。しかし逆を言えば、日本がモノヅクリを重視し続けるのであれば、日本企業にとって、日本基準こそがベストな会計基準であり続けるのかもしれない。
日本企業の”生産性”が厳しく問われている今、会計ができることは何なのか考えるきっかけになった。
【気になったこと】
5.値段がやや高い!しかしこれだけの取材をしているのだから、仕方ないとも思う。
6.長い!しかし上でも書いたとおり、サクサク読み進められるので、あまり気にならなかった。
興味のある方、是非ご一読あれ!