経営財務3409号にて、以下の記事が。
企業会計審議会は5月21日,第44回監査部会を開催した。討議事項は,①「その他の記載内容」に対する監査人の対応と,②監査基準・中間監査基準・四半期レビュー基準の改訂について。
①については,国際監査基準(ISA)720と同様に,有価証券報告書等における監査対象以外の「その他の記載内容」を監査人が検討し,監査報告書にその検討結果を記載するか等の議論が行われた。
②については,限定付適正意見を表明する場合は「除外事項を付した限定付適正意見とした理由」を監査報告書に記載する等の改訂を行う。改訂監査基準等の公開草案を近く公表し,2020年3月決算に係る財務諸表の監査から実施する予定である。
先日、日経新聞が先走って報道したと思われるのは、おそらく①についてですね。
現行では、有価証券報告書の経理の状況以外や、事業報告は監査人が通読して監査した財務諸表との重要な相違を識別することとされています。
改正案では、重要な相違を検討し,監査報告書に区分してその内容を追記することが検討されているようですね。
(*国際監査基準(ISA)720では,財務諸表の表示に加えて,監査人が監査の過程で得た知識と「その他の記載内容」に重要な相違があるか検討し,監査報告書に独立区分を設けて検討結果を記載する改訂が既におこなれていることを受けて)
確かにこの改正が行われたとしたら、財務情報以外の内容について、これまで以上に気合を入れてみなければ、監査報告書には書けませんね。
会社の作成した書類すべてについてチェックする意義はあるとは思います。
といっても整合性を見るのが主な手続でしょうし、
そんなことをしている暇があるなら、短信のサマリーだけでもチェックすることを義務化したらどうかと思いますが・・・。
計算書類とか有報しか見ない、という従来のスタンスは、本来の監査の役割から遠ざかるものですし、
このような流れ(監査対象範囲の拡大)は、今後も加速していくと予想しています。