前回シリーズまででは、監査法人に在籍しながら事業会社に出向するメリットとして、以下をご紹介しました。
Contents
①監査法人のツールを利用しながらも、
②会計に関する論点に時間を多く割ける
③視野が広がる
④出向先に転籍できるチャンス
今回は、逆に、どのようなデメリットがあるのか、敢えて先に触れていきたいと思います。
まずは、以下です。
a) 監査に戻ったら大変
これは色々な意味で大変なのですが、
主に以下の意味になります。
✓ 監査は専門的な業務になるが、監査の細かいルールや実務指針などの専門知識については結構忘れている。かつこれらは毎年内容はアプデされているのでキャッチアップが大変
✓ 監査という業務がやりたくないor好きでない人にとっては、そもそもが大変
今、話の前提として「監査法人からの出向」について議論していますが、出向と言うことは基本的に帰任するという話になります。帰任先が監査法人の監査部門である場合、当然に帰任後は監査に従事することになりますが、この状況をどのように捉えているかで、話は変わってくるでしょう。つまり、監査がやりたくて戻るなら我慢できるというものですが、そうではない場合は、結構きつい!!(マジ泣)
私の場合、幸い帰任後はだいたいやりたい仕事に従事できていますが、監査を担当することもあります。しかしどちらかというと非監査をやっていたいので、その場合は「ウッ!」となります。今の監査は、結構いろいろとルール面で縛りがあるので、昔よりも激務になっている感想を持っています。世を騒がす非違事例も相変わらず発生していて、その影響というのは少なからずありますし。
ただ、アメリカの監査などに比べると、まだまだ日本の監査も発展の余地はありそうです。まだまだこんなものではないと、どこからか謎の声が聞こえてきそうです。
さて話を戻しますが、とにかく出向中はいろいろとメリットを享受できる反面、デメリットも確実に発生はしています。
というか、メリットとかデメリットというのは主観的な問題なので、結局、出向中の経験も含めて自分の将来のキャリアプランをどのように考えるか、ということに話が収斂されると感じます。
自分の場合は、出向中の業務のほうが自分に合っていた気がするので、どちらかというと非監査のほうがやりたいのですが、出向中の経験を踏まえてもなお監査のほうが向いていると考える人も居ますので、その方にとっては帰任後また頑張るだけなのだと思います。監査自体は、監査基準が大幅にでも変わらない限り大きくは変わらないビジネスなので。