社外取締役

  • 2017年8月11日
  • 2017年8月15日
  • 会計

日本取締役協会は、上場企業のコーポレート・ガバナンス調査の結果を公表しました。

調査結果についてはp.2にサマリーの記載があるのでご参照下さい。

コーポレートガバナンスの制度規制は、最近日本でも金融庁によるコーポレートガバナンスコードの発信や、その対応である統合報告書の提出等を通じて進捗が見られています。

株主との対話による企業価値最大化・適正化が大きなテーマで、取締役会の説明責任とか、株主利益に毀損が無いかとか、会社の在り方に大きな影響を及ぼしつつあるものです。これを受けて、最近では例えば所謂持ち合い株式の売却や解消も、進んできています。つまり、日本的経営はやや影をひそめ、アメリカ型のガバナンス制度が強まっていると言えます。

これに対する上場企業の社長など取締役の制度対応への意識も高く、如何に株主に取締役会の妥当性を説明するか、非常に興味が高い領域なのだそうです。そのなか、社外取締役は制度的に設置が要求されており、高い注目を集めています。

ところで、社外取締役については、個人的に以下のような疑問点がありました。

Q: 社外取締役とは聞こえは良いが、社外のよくわからない人が取締役会に入ってきて、業界のこともよくわかってないのに、適切なアクションが取れるのか?意味無いんじゃないのか?面倒臭いだけじゃないのか?

これに対しては、以下のように考えられるようで、実際に以下のような役割を期待している経営者も多い模様(そうでない経営者も多いとは思いますので、話す機会のある経営者がどちらのタイプなのか、市場の目線からすると気にされるのでしょう)。

A: たとえば以下のようなメリットがある。

✔︎ 一般常識に照らして妥当か、意見を受けられる

✔︎ その会社の常識では思いつかないような観点から意見を受けられる

なるほどー、と思いつつ、これなら会計士でも活躍できる部分があるかもしれないと思った次第。特にファイナンスや会計処理、業績への影響の話なんかでは、貢献できるのでは。現に、会計士協会は社外役員候補の紹介を実施中だし、会計士で社外取締役の方も沢山いるようです。ちなみに監査役については、だいたい会計士が就任してることが多いですよね。社外役員とか監査役の報酬は、会社によりますがだいたい5百万〜10百万円程度と、それなりの金額になってます。なので、会計士としては割と大切なビジネスフィールドになるのかなー、と思ってます。

しかし、役員はある種無限責任を負うので、リスクも認識して就任しないといけないですね。何より、ビジネス感覚を研ぎ澄まさねばなりません。近年の会計は複雑化・専門化していますので、会計士もキャッチアップにますます負われているわけですが、「会計オタクの遠吠え」では経営には響かないと思います。