これもすごい。。。額大きいですね。
公表されている資料より、手口を以下抜粋。
1.不正行為の概要 不正を行った当社元取締役(以下、「元取締役」という。)は、従業員に対する毎月の給与振込 みの際、自らが給与明細データ作成や銀行窓口での振込依頼を担当していることに乗じ、①各月の給与振込総額として、実際の給与総額に自己の着服分を水増しした金額を決裁者に報 告し、当該金額を当社口座から出金する承認・捺印を得る(決裁者は、全従業員の実際の給与支給額を足し合わせ、報告を受けた額との整合性を確認することまではしなかった)②銀行窓口で、従業員への給与振込手続を行う一方、水増しした出金額と実際の給与総額との差額を現金で受け取る 以上の手口で、当社口座から不正に現金を引き出して着服していました。 当社に保管されている平成 22 年 1 月以降のデータ・書類を確認した結果、不正に引き出された |
これから個人的に得られた教訓は以下の通り。
●支払データの金額と、実態として支払うべき金額の照合を必ず実行する仕組みを作る。総額が難しいなら、はじめはサンプルでも構わない。
●企業内でデータを集計や作成する担当者と、実際に資金を動かす担当者を絶対に同一人物としない。一時的にそうならざるを得なくても、長期間同じ担当者に兼務させるのは本当に危険
●取締役や、部長など役職者が実務をやらない。やってたら、従業員は必ず懐疑心を持ち、然るべきタイミングで通報できるように心がける。
普通、一般的には、支払とそれまでの工程の担当者は分離しています。不正されるのがわかっているため。ところが、たまに抜け道というか、非合理的なプロセスになっていることがあるもいうことですね。
経理マンは常に今あるプロセスで満足せず、あるいはこれを疑いながら、業務の効率化や改善を目指されていると思いますが、同時に基本的な不正防止の観点も忘れることはできませんね。効率化して不正リスクが高まっているなら本末転倒です。