11/3の日経にて、以下のような要旨(ごくごく要旨)の記事がありました。
・日本型不正は、米国型と異なり、個人の利益というよりは会社の利益のために行われる面がある
・ひとつの要因として、日本の雇用の流動性の低さが関連している(働く場所が無くなると困る) |
不正が起こりやすい環境のひとつとして、「担当者が長期的に同じ業務をやり続けている」点が挙げられます。
権限のある者がこの環境に置かれると、不正に対して決定的な機会を与えてしまいます。
確かに、日本の企業では分担があまりかわらない場合というのは結構あると思います。
なぜなら、分担を変えるためには人の異動から始まり、引継作業などに時間がかかるし、端的に言ってめんどくさいからでしょう。
忙しすぎてそんな余裕が無いからとも言えるかもしれません。
けれど、最近はそのような配置換え、分担替えを敢えて実行していく取り組みも多く見られます。
大変だけど、メリットがあるためです。不正を防げるのもそのひとつ。
過去の担当者が抱えていたことを、新しい担当者がみることで、いろいろとメリットはあると思います。
何が言いたいかと言うと、記事の内容に同意で、企業の自浄作用に着目したいということです。
長期間分担を変えていない場合、注意する必要があるということです。
当事者はその人に任せててラクな面があるけど、目に見えないリスクが発生しているかもしれないのです。
また、その会社の人材育成方針というか、どう考えて人の配置を決めているのか、よく見ておくといろいろ勉強になると思います。
ところで考えてみれば、監査法人などのファームでは、分担を変更するというのは、
パートナーを交代することから始まり、個別の手続の分担を変えることも含め、よく行われています。
やったことのない仕事なんていうのは、普通に振られてくるものです。
当然、分担変更時は当事者全員が大変なわけですが、本人はそれをこなすために勉強して、周囲は一生懸命教えて、
それをばねに大きく成長することもできるわけで、
そういう変動性を受けこなしながら、日々鍛えられるというメリットがあると言えると思います。
また上の話と同様、異なる視点で手続を実施する結果、勘違いで進めてしまっていた点や誤りを発見できるメリットがあります。
組織的には大きなメリットです。