プレジデントオンラインの、実例で検証”CF計算書”で不正を見抜く方法という記事にて、不正会計に騙されないために、財務諸表を読む力の必要性が説かれています。
この読む力の重要性は、株式投資を適切に促進する観点から、とても重要であると感じていまして、同意するところであります。
ただ、仮に財務諸表利用者の読取能力がプロ並みに向上したとして、異常を示す財務数値を理由として、本当に投資判断を変えることができるかどうかについては、疑問です。
疑問を財務諸表の発行体である企業にぶつけてみたところで、それっぽい、言い訳をされるだけではないかという懸念があるためです。
そこでもう一つステップを踏んで、そのような異常値について分析、公表、コメントする公的機関があればそのような限界を越える1つの手だてになるかもしれないと思っています。
プロフェッショナルな業務ですが、ある程度はAIで代替できるはず。
当然、客観的な事実を伝えるに留まりますが、監査法人が市場に対してアラートする機能に限界があるならば、ある程度は投資家保護になる。
ただし、風説の流布にならない範囲にしなければなりません。これが結構難しいかもしれませんね。不正の兆候があっても、実はコレコレこういう理由で適切である、という場合もありますから。
なので、公的機関が行政サービスとして実行するのが望ましいのかなと思いました。現実的には難しいかもしれませんが、そこまで踏み込む努力をしないと、投資家は永遠に騙され続けるのではないかとすら思います。