事業報告等と有価証券報告書の一体的開示のための取組

首相官邸(日本経済再生本部)は、2017年12月28日にて「事業報告等と有価証券報告書の一体的開示のための取組について 」を公表しています。

「未来投資戦略2017」(平成29年6月9日閣議決定)(以下、「未来投資戦略」)に掲げられた「2019年前半を目途とした、国際的に見て最も効果的かつ効率的な開示の実現」に向け、事業報告等と有価証券報告書の一体的開示をより容易とするため、関係省庁は共同して制度・省庁横断的な検討を行ってきたところ、

諸外国と同様、一体の書類又は二つの書類の段階的若しくは同時提出のいずれの方法による開示も容易に行うこと(すなわち事業報告等と有価証券報告書の一体的開示)をより行いやすくするための環境整備を行うことが求められるため、当面、類似・関連する項目について、可能な範囲で共通化を図る趣旨です。

具体的には、平成29年度中を目途として速やかに、以下の各項目にについて、別添に記載された対応を行うとのことです。

(1)「主要な経営指標等の推移」/「直前三事業年度の財産及び損益の状況」
(2)「事業の内容」/「主要な事業内容」
(3)「関係会社の状況」/「重要な親会社及び子会社の状況」
(4)「従業員の状況」/「使用人の状況」
(5)「経営上の重要な契約等」/「事業の譲渡」等
(6)「主要な設備の状況」/「主要な営業所及び工場」の状況
(7)「大株主の状況」/上位十名の株主に関する事項
(8)「ストックオプション制度の内容」/「新株予約権等に関する事項」
(9)「役員の状況」/会社役員の「地位及び担当」並びに「重要な兼職の状況」
(10)「社外役員等と提出会社との利害関係」/社外役員の重要な兼職に関する事項
(11)「社外取締役の選任に代わる体制及び理由」/「社外取締役を置くことが相当でない理由」
(12)「役員の報酬等」/「会社役員の報酬等」
(13)「監査公認会計士等に対する報酬の内容」/「各会計監査人の報酬等の額」及び「株式会社及びその子会社が支払うべき金銭その他の財産上の利益の合計額」
(14)財務諸表及び計算書類の表示科目
(15)財務諸表及び計算書類の1株当たり情報に関する注記

実務的には、別添の記載がわかりやすいですね。

一歩前進しそうなのでそれはそれで良いのですが、

もっと抜本的に一体的開示にならないものか・・・。

経理の状況の前の記載についての一体化を意図しているように思われますが、今でも実質的に同じ記載にしていることも多いのではないかな・・・。

財務諸表本表や注記の一体化とか、もっと進めて欲しいですけどね。どちらかというと計算書類の注記は情報量も質もしょぼいので、それだったらいっそのこと有報で開示するものを参照するようにするとか。