共栄タンカー株式会社は、平成30年3月14日にて以下の誤謬に基づく訂正報告を発表しています。
①平成27年3月期及び平成28年3月期において、当社子会社所有船舶の売却に伴う圧縮記帳積立金計上時の子会社利益計上額に対する繰延税金負債の計上誤り。
②平成27年3月期において、持分法適用会社 ELEGANCE LINE S.A.清算時の子会社利益計上額に対する繰延税金負債の計上誤り。
内容については文面だけでは掴みきれませんが、①は圧縮した資産の売却時における税効果、②は持分法会社の清算時の留保利益にかかる税効果の案件かと推測します。
①は圧縮時の税効果を理解していないと漏れるリスクがあります。
②は清算により清算配当を受け取るなどの場合、将来納付する税金の先取りとして税効果の対象になり得ます。
いずれも、イレギュラーな取引事象ですので、一般的に本当に注意が必要だと思います。
税効果は本当に注意が必要です。
上場会社の実務担当や監査人の方は、税率差異分析はかならず実施するようにしてください。
その際、わからない項目を「評価性引当の増減」とか「その他」に寄せずに、できるだけ精緻に分析し、可能な限り「不明差異をなくす」ことをおすすめします。時間がなくても終わるまでやってください(多くの上場会社では泣きながらでも終わるまでやっています)。早い目に監査人や社内会計士を頼ってもかまいません。
非上場の会社の方でも、上場会社の子会社など税効果会計の適用対象となっている会社様においては、是非実施していただきたいと思います。納付すべき税金の計算誤りや漏れに気付くこともあります。
以下は参考になる書籍です。
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特にイレギュラーな、前期までなかった取引に関しては、税効果は必ず検討する時間を取って下さい。