伊藤レポート2.0 発表

  • 2017年10月30日
  • 2017年10月30日
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経済産業省は、「伊藤レポート2.0(「持続的成長に向けた長期投資(ESG・無形資産投資)研究会」報告書)」(以下、本報告書)を作成・公表しました。

※ESG:環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の英語の頭文字を合わせた言葉

公表の背景は以下の通り。一部抜粋です。

具体的な政策対応が行われ、企業や投資家においても企業価値向上や対話に向けた取組が進んでいます。資本効率性を示す指標であるROE(自己資本利益率)のボリュームゾーン(東証一部上場企業)は、当時の2.5%~5%から2016年時点では5%~7.5%まで上昇しています。

今後の課題は、このような流れを着実に企業の持続的成長につなげ、長期投資が収益をもたらす循環を定着させることです。一方、コーポレートガバナンス改革を通じて収益性への注目が増えることで、短期的には利益を圧迫する中長期的な戦略投資が行われにくくなる可能性も指摘されています。世界で競争する企業の「稼ぐ力」の源泉が、設備等の有形資産から計測しにくい人材や技術、ブランド等の「無形資産」に移行する中、このような傾向は顕著になってきます。

また、近年、特に長期的な視点に立つ世界の機関投資家の間で、企業を評価する指標として「ESG(環境、社会、ガバナンス)」等の非財務情報が重視されてきています。日本でも年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が国連責任投資原則(PRI)に署名し、ESG指数を採用するなどの動きが見られます。

本研究会では、伊藤レポート後に生じた動きを総括しつつ、無形資産投資やESG等を巡る論点を深掘りして議論し、今後の政策対応等を検討しました。

その成果を「伊藤レポート2.0」として取りまとめました。

要するに、日本に金が流れる環境は理論的には整ってきてるけど、これを維持促進していくには、無形資産を含めた投資が必要ではないかと。

更にはESG投資にも対応しなければ、お金を呼び込めませんよと。

本報告書では、まず第四次産業革命が企業の競争のあり方を大きく変化させ、競争力の源泉として無形資産に対する戦略投資の重要性が高まっていることを指摘しています。その上で、グローバル企業の投資額が増大していること、日本企業の研究開発投資の伸びが他国と比べて鈍化していること、人材投資の水準が低いことを示しています。
また、長期投資を巡る資本市場の変化として、パッシブ・インデックス投資への資金流入が増える中での課題やESGを巡る主要論点が体系的に示しています。特にESGについては投資家の間で長期リスク要因として見るコンセンサスが存在すること、投資収益への影響には見解に違いがあることが明らかになりました。
その上で日本企業のパフォーマンスに関する資本市場の評価をいくつかの指標で国際比較しています。「伊藤レポート」によって注目が集まったROEが改善する一方、欧米と比べて事業の収益性や資本政策に違いがあることを示しています。特に本研究会では企業価値を市場がどのように評価しているかを示す指標としてPBR(株価純資産倍率)に着目して国際比較を行いました。その結果、日本企業のPBRが長年にわたり1倍前後という(理論的には解散する方が価値が高い)水準で推移しており、業種・資産構成等ごとに欧米と比較しても極めて低い水準にあることが明らかになりました。

PBRが低いのは良く言われている話で、少なくとも投資家目線では日本企業が適切にリスクをとる行動をしていないように見えるため、見合いのリターンが低く計算される結果、株価が低く評価されていることを言いたいのかと。日本にお金が入ってきても、出資者の思惑どおり流れていないということですね。

それにしても、たしかに欧米企業と比較してPBR低いように見えますね。

で、どうすればいいですか?という問いに対して提言として答えたのが以下です。

このような課題認識を踏まえ、本研究会では、企業が持続的な価値創造に向けた経営のあり方を見直し、そのビジネスモデルや戦略、ガバナンス等を投資家等と対話するための「ガイダンス(価値協創ガイダンス)」を提案しました。

本報告書では、ガイダンスの各要素についての考え方や議論を整理し、その活用も含め以下の8項目の提言を行っています。

1.企業と投資家の共通言語としての「価値協創ガイダンス」策定
2.企業の統合的な情報開示と投資家との対話を促進するプラットフォームの設立
3.機関投資家の投資判断、スチュワードシップ活動におけるガイダンス活用の推進
4.開示・対話環境の整備
5.資本市場における非財務情報データベースの充実とアクセス向上取組
6.政策や企業戦略、投資判断の基礎となる無形資産等に関する調査・統計、研究の充実
7.企業価値を高める無形資産(人的資本、研究開発投資、IT・ソフトウェア投資等)への投資促進のためのインセンティブ設計
8.持続的な企業価値向上に向けた課題の継続的な検討

うーむ…

投資家との対話とは、ちゃんと投資してるから分かってよ、とちゃんと伝えなさいということかな…。まあそれも必要なことだけど、本当にそれが根本なのだろうか。

投資判断とかスチュワードシップのガイダンスって…。それを使って本当にパフォーマンスが上がるのだろうか…。

開示の簡略化はやればいいと思うけど、5-7は具体的にイメージ湧かないな。

 

1番気になったのは、もうこの伊藤レポートは、それが正しい前提で進むのでしょうか。

反論とか、代替案とか、そういうパブコメとかを集める類のものではないのかな。

またこれで何とかコードとか追加されますが、実態の改善策としては若干回りくどいかも、と思ってしまいましたね。個人的には。