「収益認識に関する会計基準」への対応について(国税庁)

国税庁は、平成30年6月1日(金)に、ホームページで「「収益認識に関する会計基準」への対応について」を公表しました。

 

平成30年3月30日に収益認識に関する包括的な会計基準となる企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」が公表されたことに伴い平成30年度税制改正において法人税法等の改正が行われているため、これを説明するものです。

(1) 「収益認識に関する会計基準」への対応について~法人税関係~(PDF/1,535KB)については、比較的わかりやすく記載されておりました。

というか、税法の文言だけ見ていても、さっぱり頭には入ってきません・・・。

ポイントだけ掴みたかったのでさっと読みましたが、以下のように理解しました。

★認識

原則として、収益の計上時期は目的物の引渡し又は役務の提供の日の属する事業年度となるが、新収益認識基準を適切に適用して計上した収益は、法人税法上も益金として容認する。

(「引渡しの日に近接する日」という概念によって、引渡日以外の日でも益金計上できるように通達を整理)

★測定

基本的に、「時価」で測定する。値引きや割戻しは、そのための調整であると位置づけている。

ただし、新会計基準では、回収不能や返品の影響も見積って取引価格に反映するが、これらは譲渡資産の時価とは関係ない要素であることから、税務上はそのような処理は認められない。

基本的には認識・測定ともに、税務上も広く新収益認識基準の処理を受け入れる方針であると感じます。

この辺りはかなり実務への配慮があったのではないかと推測します。

ただし、返品や貸倒引当については注意する必要がありそうです。

引渡、実現、リスクからの解放、履行義務の充足などと、会計や税務で売上の認識に関してはいろいろな言い方をされてきていて、それぞれ厳密な意味は異なるものの、基本的には同じようなことを言っているので、そこで細かく実務に差異をもうける必要はないと思います(私見)。

このことは、「履行義務の充足により収益を認識するという考え方は、法人税法上の実現主義又は権利確定主義の考え方と齟齬をきたすものではない。(p.16)」として表現されています。