会計基礎教育の推進に関する基本方針

  • 2017年8月15日
  • 2017年8月15日
  • 会計

日本公認会計士協会では、2016年7月の総会において「会計基礎教育推進会議」を設置し、会計リテラシーの普及を推進する活動を本格的に開始しました。

こちら、個人的には極めて重要な取り組みだと思います。

投資家を含む会計ユーザーの会計リテラシーが一定のレベルに達していなければ、提供される会計情報を読み解き、適切な意思決定をこなすことは難しいと思います。

以下、完全に個人の感想として記載します。

個人的な感想では、会計の能力を以下のレベルに分けて考えてます。職業的専門家はレベル3~4あたりかなというイメージです。

レベル1:簿記3級~2級レベル。一般常識的に会計用語と内容を理解するレベル。日経新聞に書いてあることがある程度理解出来るレベル。

レベル2:簿記1級レベルの知識があり、一定の会計的思考ができるレベル。経営管理等に向けて具体的なアクションが取れるレベル。日経新聞とか経済雑誌の会計記事について十分に理解出来るレベル

レベル3:あらゆる会計基準や実務指針を理解し、調べればその趣旨を含め理解・協議できるレベル。一定の難易度であれば十分に結論が下せるレベル

レベル4:極めて何度の高い会計論点について一定の結論を出せるレベル・会計基準を作成する側の者のレベル・学術的に高いスキルを要するレベル

 

個人的に大事だと思うのは、大学の一般教養ではなく、もっと以前に・広く、中学高校においてレベル1に接する機会(受験科目として使ってほしい)を増やすことではないかと思っています。商業高校なんかでは簿記を勉強していると思いますが、もっと広く普及させてほしいものです。確かセンター試験では簿記も科目として存在していたと思いますが、もっと多くの人が簿記や管理会計を高校受験・大学受験の科目として使ってもいいのではと思います。

反対意見も多いでしょうけど、正直、中学高校でやった古典なんかは、まあ日本人の教養としては大切かもしれませんが、そんな古い言葉を今更勉強しても、ビジネスの世界ではあまり役に立たないというのが個人的な感想です(当時の日本人としての文化や考え方とかは知識としては大事かもしれませんが、受験科目として一生懸命時間をかけてやる意味が無い人も多いと思われる)。それよりも、実学である会計学に時間を割くチャンスをふつーの科目として与えてあげてほしい、というのが個人的な願いです。

そしてそこから派生して、もっと中学高校の時代に、勉強する内容を広く選べるようにするといいんじゃないかなと思います。そうすると必然的に、何を勉強したらいいのかということをもっと生徒自身が考えるようになると思います。その選択肢の一つとして、会計ほど汎用性の高い学問は無いと思います。

更に言えば、会計から派生して、ファイナンスや金融の知識、保険の知識、経営学やビジネスの知識など、いわゆる「お金の教育」についても早々と始めてあげればどうかと思います。大学に行こうが行くまいが、人生でみて非常に重要な知識ですし、お金の運用については誰もがやることになりますので、まさに全国民的にリテラシーを高める必要性があるのではと思います。