木材やコンクリート向けの試験機を手掛ける株式会社東京衡機(東証2部)は15日、連結財務諸表の監査意見が「限定付き適正意見」になったようです。
開示すべき重要な不備にも該当(決算日後に判明したため)。
原因は中国子会社の元役員等が以下の不正行為を実施したため。
・不適正な経費使用
・生産設備の不正使用
・棚卸在庫の横流しなど
結果、以下の虚偽表示が判明したとのことです。
・平成28年6月から平成29年3月にかけて計上された売上の一部について、製品の出荷の事実が認められず、少なくとも企業会計上は収益認識が認められない架空売上があったこと、
→この点、架空売上が計上された取引に対応する売上原価の相手勘定を確認したところ、棚卸資産ではなく、未払費用として処理している取引が複数検出されたようです。つまり、架空売上が計上された取引に対応する売上原価の相手勘定として未払費用が計上されていた。
・同社の平成28年9月末、同年12月末および平成29年3月末の貸借対照表において、仕掛品の帳簿残高が過大計上されていたこと、
→当該子会社の元幹部社員の関与のもと、元幹部社員または元幹部社員および元役員が関係する会社への不適切な原材料の無償提供、関係する会社の賃料や従業員給与の当該子会社による支払、当該子会社の原材料の不正な持ち出しなどが当該子会社で行われていた疑いが把握されている。(追記:もうめちゃめちゃッスね・・・。横領は中国など海外では多いとは聞くけど・・・)
・平成28年12月末時点において実質的に回収不能または回収困難と認めざるを得ない債権があったこと等
→売掛金の調査により、不正との関連が疑われる取引先に対する売掛金が2017年3月末に127千元検出され、相手先から残高確認の回答を得ることができなかった。当該売掛金は、取引の実在性は否定しがたいものの、実質的に回収不能または回収困難であると認められる。(追記:回答がないことが回収不能という判断になるということは、相手先はすでに倒産等の状況にあると考えている?なお、前渡金についても回収の疑義があるようです。)
→また同様に、売掛金の調査により、基本的に1000元以下の取引金額で推移していた取引先に対して2015年の年末に206万元の売上を計上したものの、2016年1月、2月および11月の3回に分けて売上がすべて取り消された取引が検出されたそうです。(追記:まさに、架空売上の取り消し処理の可能性が高いですね。)
ここの原因と結果の因果関係というか、一連の不正処理についてはある程度調査委員会の中間報告書で触れられています(上記赤字で記載)が、まだ調査中ということで発生原因等を詳しく知りたいところです。
限定付の意見となったのは以下の経緯によるようです。
限定付適正意見となった経緯は、本件疑義を受けて本件子会社の当連結会計年度末における仕掛品の計上に関する調査を実施したところ、仕掛品計上に係る証憑の一部を確認することができなかったことから、同社において2013年度から2015年度の製造原価と仕掛品残高との比率を、2016年12月の製造原価に乗じて仕掛品の残高を推計したうえで、当連結会計年度末の連結財務諸表を作成したことによります。