読書の秋っつうことで、最近話題の働き改革に沿った一冊をご紹介。
大手戦略系コンサル会社であるアクセンチュアの社長による、成功事例です。
コンサル会社といえば超激務のイメージですが、実際ものすごく激務であったアクセンチュア。
しかしそれゆえに転職市場ではきわめて評判が悪く、これに危機感を感じた社長が改革を実行。最終的には終電までの業務から残業1時間程度へ削減することや、有給消化率の大幅な向上(80%)、離職率の大幅な減少(1/2へ)を達成されたようですが、具体的にどのように進めてこれらを達成していったのか、途中経過を含めて生々しい解説がされています。
プロジェクトの進行・管理の手法にコンサル会社らしさを感じます。論理的で、人を巻き込んで行動に結びつける工夫がされています。
①現状把握
②ビジョンの定義
③改革のフレームワーク作り
④制度と意識の改革の両輪で進行
⑤トップによる再三のメッセージ発信
⑥仕組み化・テクノロジー活用
根付いた会社の制度や文化を変えるということは、並みの負担ではないと思いますが、非常に論理的に、着実に進められたのだと感じます。働き方改革を進めるなか、大きな参考情報になると思います。
個人的に、働き方改革を進めるためには、仕事を減らすしかないと思っていましたが、その点はそこまで実行しなかったような印象で、むしろ業績向上も同時に達成させているということで、その点は反省というか、衝撃でした。やればできる、そんなメッセージが込められています。
個人的には、以下が興味深かったです。
■社内でツールや知見を共有する工夫
→生産性を高めるであろう、「これをやったらうまくいく」という小さなコツを伝授するようにした。具体的にはパワポのアイコンやプロマネの標準モデル、略語集、その他ツールをイントラで共有した。
■AIやロボティクスを積極的に活用した
→経費精算や部下から上司への細かな質問の場面で活用し、作業時間を少しでも減らした
このような施策そのものもそうですが、ここまで現場的な細かい工夫まで気を遣ってプロジェクトを進めていたというところが、本気度をあらわしていると感じました。
どこの会社でも共有できるテクニックやツールは、低コストで誰もが共有できるようにすれば、世の中の総労働時間も大きく削減できるのではないかとすら感じるところです。
興味のある方は是非。