12月に決算期変更 増加傾向

  • 2018年6月24日
  • 2018年6月24日
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上場企業の決算期変更が相次いでいる。3月期だった日清紡ホールディングスやそーせいグループが今期から12月期に変更する計画。12月期企業は5年間で3割増えている。日本企業のグローバル化が進み、海外で主流の12月期に統一する動きが広がっている。

日経新聞より。

確かに最近、決算期変更の件はよく耳にします。

必ずしもIFRS移行とは関わりないかもしれませんが、海外の主流な決算期にあわせることのほうがメリットなのでしょう。

日本でも四半期決算はしていますが、結局求められるのは年度数値の比較になるので、四半期制度による数値の利用には限界があるということですね。確かに四半期報告書において、直近一年間の数字というのは出ません。

ところで親子会社の決算日の相違の取り扱いについて日本基準では、以下の実務上の便法があります。

「連結財務諸表に関する会計基準」(注4)決算期の異なる子会社がある場合の取扱いについて
子会社の決算日と連結決算日の差異が3か月を超えない場合には、子会社の正規の決算を基礎として連結決算を行うことができる。ただし、この場合には、子会社の決算日と連結決算日が異なることから生じる連結会社間の取引に係る会計記録の重要な不一致について、必要な整理を行うものとする。

連結決算日を3月末から12月末に変更する場合、これまで上記の便法により12月決算の数値を連結決算日である3月末決算までに用意すればよかった海外子会社側のメリットを享受できなくなります。

その結果、実務的には海外子会社(12月末決算が多い)の決算早期化が論点になることが多いです。それも3ヶ月も。

「なるほど、じゃあ子会社に3ヶ月早めてもらうようにお願いしてちゃっちゃと対応してね」

経営者的にはこのような感覚になるのかもしれませんが、実務はそれほど簡単ではありません。

会社の事情にもよりますが、海外子会社の決算早期化には、その文化の違いや体制の脆弱さ等を原因にとして多くの困難が待ち受けていますので、コストをかけて乗り越えなければならないことも多いのです。

決算早期化については、またどこかで投稿しようと思います。