監査法人トーマツ、罰金2億円支払 米SEC

静岡県浜松市の北沢尚美容疑者(71)ら2人は2014年6月から7月にかけ、当時、勤めていた楽器関連会社の口座から4800万円余りを横領した疑いが持たれています。警察によりますと、北沢容疑者は当時、この会社の浜松支店の経理担当で、本社で経理をしていた男に指示して入金させ、私的な投資の運用資金に充てていたということです。

テレ朝ニュースより。

手口や詳細など、全くもって不明ですが、今日もどこかで不正が発覚しています。

証券取引等監視委員会は13日、アニメ「秘密結社 鷹の爪」を制作する東証1部上場の「ディー・エル・イー」(東京都千代田区)が、架空取引などで売り上げを過大に計上し決算を粉飾したとして、金融商品取引法に基づき同社に課徴金1億3540万円を納付させるよう金融庁に勧告した。

産経新聞ニュースより。

以前の記事の続きになります。

重い処分ですね。

たかが会計、されど会計。

たかが経理、されど経理。

経理は伝票を処理する部門ではなく、会社をコントロールする重要な役割を担っていることを痛感します。

このとき、トップマネジメント層の倫理観ほど重要なものはありません。

逆にいうと、トップマネジメントに倫理観が足りないと感じる場合がもしあるならば、当事者としては本当に注意が必要です。

個人的には性善説に立ちたいですけどね…。

米証券取引委員会(SEC)は13日、監査法人トーマツが会計監査の独立性ルールに違反し、200万ドル(約2億2000万円)の罰金を支払うと発表した。トーマツ元幹部は同法人が監査を担当する金融機関の口座に一定基準を上回る金額を預けていた。「独立性が損なわれた状態」で監査報告書が提出されていた上に、法人内の監督体制も不十分で、今回の処分につながった。

日経新聞より。

うーん、まあ、ルールだから仕方ないという意味で納得感はあります。

しかし、実質的に独立性にどこまで影響があったのかについては、個人的には懐疑的です。

所謂監査論でいうところの、精神的独立性と外観的独立性の論点につながる事案ですね。

精神的な独立性が保たれてさえいれば問題ないとする考えは、心のあり方を規制する難しさから、現実的には難しい。

そのため、外観的に独立性を確保しようという話です。

でも、預金1000万円預けた程度で独立性が損なわれるのかなという気もするし、罰金2億は重いなと思いますね。

確かに金融機関は沢山あるから、何もクライアントの銀行に預けなくてもいいじゃないのとは思いますけどね。

この線引きが難しいですね。

この線引きの難しさが、独立性の論点の真のテーマなのかもしれませんね。実務的には。

なお、預金はまだいいのですが、自分のファームが監査してるクライアントの株取引にも、規制がかかります。

これから日本人も金融商品投資を拡大していこうという時勢ですので、人生トータルで見ると、場合によっては大きな差が出てくるのかもしれませんね。

まあ監査法人できちんと勤めていれば、食うには困りませんが。