有報 金融庁、情報拡充へ指針

  • 2018年7月3日
  • 2018年7月3日
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金融庁は上場企業に対し有価証券報告書(有報)に載せる情報の拡充を求める。経営者に競合相手と比べた優位性や、経営上のリスクを独自の分析を交えて発信するよう促す。取締役の報酬の決め方や持ち合い株の保有方針もより詳細に開示させる。数字の羅列の形式にとどまる有報を、実質的な投資判断の材料とすることを目指す。

日経新聞より。

着眼点は悪くないとは思います。

どうせ作る有報だから、社会にとって有用な実質的なものにしたいという視点は間違ってはいない。

たしかに有報は、公式の世の中に残り続ける書類ということで記載には気をつかうところもあり、

どうしても形式的な記載にとどまるところがあります。

また優位性やリスクの分析の記載の良し悪しは、経営者の経営に対する考え方や切り口を知りうる重要な情報にはなりえるでしょう。

しかし、有報と、投資情報の有用性は、相容れない側面があるものではないかと、個人的には思います。

その理由として、まず有報の提出時期の遅さがあります。

3月決算の会社であれば、6月後半以降に有報が提出公表されるのが通常ですが、これは既に第1四半期の終わるタイミングです。

そのタイミングで、前期の決算数値をもとにした分析が出されても、逆に投資家を惑わせませんかね。

為替の影響などは特にそうで、足元で全く異なる相場感になっているかもしれない3ヶ月前の前提をどこまで踏まえればよいのか…

個人的にはやはり分析は、短信が出されるタイミングで数字とともに出てくる、というのが情報として使いやすいのではないかと。

第2に、どこまでやっても形式的な記載は防ぎきれないと思います。

記載っぷりを他社比較させて、、、との趣旨は分かりますが、記載っぷりで投資判断が傾くのもどうかと思うし、逆に記載が良さげな会社に投資して実はそれほど有用な情報を得られていなかったという結末も考えられます。

何を言いたいかというと、イタズラに有報作成難度を上げても、社会が得られるリターンは限定的なのではないですか、ということです。

国際比較の観点も大切だし、全ての会社がロールスロイスを目指すのも意義があるのかもしれませんが、

やるなら短信でやればいいかと。

短信はサマリー1枚と、自主的な分析資料1枚をミニマムとして運用するのが効率的かと思います。

が、

そう思うなら金融庁にアプローチしろと言われそうなので、今日はこの辺で筆を置きます…苦笑