先日6月某日に、日本公認会計士協会東京会による「公認会計士」を超えていけ!~IPO三銃士の生き様~なる研修会に参加してきました。
パネリストとして登壇した3名の方は、どの方も魅力的でした。
みなさん、組織内会計士としてIPOに何らかの形で関与した経験者です。
これに関連して、参加した公認会計士にメッセージを惜しみなく発信されていました。
今回はその中から、印象に残ったものをご紹介しようと思います。
■新しいチャレンジをする会計士が会社や社長から好まれる
いわゆる監査法人タイプ(優秀だが、ルール準拠型で柔軟性が無く、保守的)の会計士に対する警鐘であると思いました。
もちろん監査法人タイプの方がいないと、監査にならないわけですから、それを否定しているわけではありません。
ただ、IPOなど経営者と肩を並べて仕事をしようというときに、ルールに準拠するしないの話ばかりをしても仕方がないわけで、自分自身チャレンジする、人をポジテイブに動かせるような人が好まれるというようなお話でした。
経営者のパートナーという意味では、会計や税務の知識は持っていて当たり前で、如何に経営者を巻き込んで提案していけるかという力が大事なようです。
その力を身につけるためには、個人的にはベンチャーCFOをやるのが手っ取り早いと思いました。
■IPOで活躍するための差別化要因
①将来、こういう数字になるはずという数値予測能力
②板挟み力(一緒に悩み、ぎりぎりの落としどころを提案できるような最善尽くし力)
①は事業計画の作成が例ですが、あるアクションを取ったときに、将来とどういうことが起きるかという予想を、できるだけ具体的に、かつ正確に見据えることができれば、それは大きな差別化要因になると思いました。
コンサルなどで再生をやっている人は、なじみの深い分野ではないかと覆います。
CF0も、そのような能力が求められると思います。
②これはなかなか面白い話でした。
めんどくさい話がきても、嫌がらずに一緒になって格闘してくれる姿勢のある人を、社会は望んでいるんだなという風に理解しました。
これは本当にそのとおりではないでしょうか。
寄り添ったり、知恵を出し合ったりするところにこそ、会計士の価値はあるのかもしれないとすら思いました。
寄り添うとか、励ますとか、血の通った提案をするというのは、おそらくAIではできませんね。
面倒見がいいとか、根性があるとか、そういう気性というのは、価値があることなんではないかと思います。
■活躍している会計士の共通項
→経営者に何を言われても、否定しない(yesか、はいで答える)
→ただし、一度yesといった後、現実的な話やメリット/デメリットをきっちり示す。
とにかくポジティブであれということですね。
IPO支援をしていると、無理だ・・・これは無理だ・・・というように思わざるを得ないシーンが山のようにありますが、そんな状況でも、ひとまずはYesと言えと。
Yesといった後で、現実的な話をして、しっかりした判断をしたらいいということでした。
提案する側としても、提案して否定されたら悲しくなるのはわかりますので、
人間の心理的にも説得力のある提言ですね。
私も、クライアントとのお付き合いが進んで関係に慣れてくると、ついつい会社の発想に対して「それは無理じゃないですか!?」と言ってしまうことがありますが、
確かにそういう場合、クライアントは悲しそうな顔をしていました。
こちらとしては現実的な話を直ちにやっていこうという意図なのですが、
実はあまりよろしくないようですね。
無理だとして、どう無理なのかを説明できないうちは、否定から入るのは控えようと思います。
今日からとりあえず、Yesで。