Contents
回転期間・回転率の計算方法と、その覚え方を解説します
こんにちは。
ファイターです。
この記事にたどり着いた方は、以下のようなお悩みをお持ちかもしれません。
(2)この2つの指標の公式が、何回見ても覚えられず、すぐ忘れてしまう
そのため、今回はまず(1)についてポイントごとに解説します。
その後、(2)について、なるべく忘れないような工夫について発表したいと思います。
この記事が、お役に立てれば幸いです。
回転期間とは?回転期間の計算式は?
回転期間の公式は、例えば売掛金であれば、ベースは以下の通りです。
月数なのか年数なのか
この公式によることで、1ヶ月の売上を1としたときに、売掛金が1に対してどの程度残高として残っているかがわかりやすくなります。
月数で回答すれば、本人達だけではなく、会話を聞いている誰もがイメージしやすい情報になると思います。
売上1ヶ月分のボリュームに対して、残高の売掛金は3ヶ月分もあるという見方になります。
そこから、”3ヶ月くらいなら異常はないね”とか、”今期はなんで3ヶ月に急減しているの?”とかいう分析話に繋がっていきます。
分母である1ケ月分の売上高は、どうやって計算するか?
分母の1ケ月分の売上高は、どこから持ってくればよいでしょうか。
回転期間をまじめに計算しようとすると、この疑問がわき上がります。
売上高といっても、転記元の資料によって様々です。
分母を、どこから持ってくるかについては、答えはありません、
というか、目的に応じて変化すると思います。
一般的には、損益計算書(年間のP/L)から持ってきて、12で割って1ヶ月分を算定する方法があります。
こちらは、数字の意味としては年間平均売上高(÷12)を使用することになります。
そのほか、もちろん月次売上高をそのまま使用する方法もあります。月次ごとの回転期間分析をしている場合などが想定されます。
それぞれ長所短所がありますので、まとめます。
○ | × | |
---|---|---|
年間売上高÷12 | 取得しやすい (年度決算は必ず行うので、参照できる可能性が高い) |
回転期間が正確ではないリスクあり (あくまで平均売上で、売上の季節変動があれば回転期間が影響受ける) |
月次売上高 | 回転期間が精緻化される | 取得しにくいことがある (Ex.月次決算で集計していない売上の場合) |
分子の残高は、一時のものをそのまま使うのか、平均を使うのか
残高についても、どのような数字を取ってきたら良いか、判断が分かれることがあります。
といっても、残高は大きく2種類しかありません。
- ある時点の残高を使用する
- 平均的な残高を使用する
解説が必要なのは②ですね
②は、例えば期末BSの残高と、期首BS残高の合計を、2で割って計算する方法が代表的です。
ただ、別に2年前のBS残高も含めて3年平均にしても良いと思います。もっと言えば、4月~3月の各月の残高を合計して、⑫で割ってもよいでしょう。
なぜいろいろな方法があるのかというと、要するに目的が残高を平均して正常化することだからです。
ある一時点のBS残高は、突発的な理由でやたらと大きな値になったり、小さくなったりすることがあります。
そのため、平均値とすることで、この一時的な異常な影響を緩和して、回転期間を正常値化しようとしているわけです。
ですので、別に2期間分の平均だけが全てではありません。何を計算したいのかを明確にしましょう。
この話は、実際に回転期間分析をすればよくわかります。
回転期間を、ある時点のものと、1年前のものと比較して,、異常に乖離していたとき、
その乖離について分析して説明する必要性が生じたときに、
平均残高による回転期間が役に立つことがあります。
あるいは、そもそも平均化しているので、異常な乖離にならずに説明の手間が省ける可能性があります。
回転率とは?
回転期間とは別に、回転率という指標があります。
計算式は、以下です。売掛金を前提にします。
回転率は、回転期間の式について、分母と分子を逆にしただけです。
ただの逆数ですので、計算自体は簡単です。
そして回転率にする目的は、「残高が回転する回数」を算定することです。
分母の残高は回収サイトが1ヶ月であるば1ヶ月分しかありませんが、分子の売上は年間分(12ヶ月分)になります。
公式にあてはめると、売上高÷残高=12ヶ月分÷1ヶ月分=12(回)となります。
この場合、1ヶ月の売上を、12回重ねれば、年間の売上になるという意味になります。
これは、売掛金が年間で12回も回転したと表現することができます。
商売はお金を回していくことなので、その回転度が大きい方が、売掛金がより多く回転している=よくモノが売れている=お客さんが沢山来ている=儲かっているという実態に近くなります。
このイメージを掴むのに、回転率という指標は最も近いイメージを与えてくれます。
回転期間は期間の長さを出すものですが、回転率の方が単位を○回、△回と揃えられるので、意味は同じですが、分かりやすさが違うと思います。
そんなこんなで、回転率があることはまあよろしいことなのですが、
慣れていない現場担当としては、こんな感想を漏らしてしまいます。
「計算式が似ていて、ややこしい。覚えられない。」
回転期間と回転率の違いと、覚え方
回転期間と回転率の違いがあって計算式が覚えにくいので、どのように覚えれば良いでしょうか。
確かに経理や監査などで、何度も何度も目にすれば、自然に覚えていくものかもしれません。
しかし稀にしか使用しない方にとっては覚えにくいかもしれないと思って、
このブログでは、以下のような語呂合わせ(?)で覚えることを提唱したいと思います。
正直、これを出すのはスベったみたいになるので個人的には憚られますが、
これによって印象に残り覚えられる方が1名でもいらっしゃれば、たいした傷ではありません。
回転期間の計算式の覚え方
まず、回転期間については、残高÷損益という公式になっていることを踏まえ、BS÷PLという風に理解します。
そうすると、分子⇒分母の文字に着目すると、S⇒Lというキーワードが浮かびます(下図参照)。
ということで、SL=「機関」車=回転「期間」ということで、回転期間はBS÷PLなんだと思い出す方法はいかがでしょうか。
このサイズで出すことも含めて、もはや私だけではなくて読者への心のダメージが危惧されますが、まあ覚えられれば結果オーライと言うことで・・・
回転率の計算式の覚え方
ちなみに、回転率はこの逆なので、SLだけ覚えておけば大丈夫だと思いますが、
回転率について、強いて語呂合わせするならば、以下のようになります。
残念ながら語呂合わせができませんでしたので、大変申し訳ありませんがノリで覚えることになります。
ちなみにリッツ・カールトンは、”The Ritz-Carlton”ですから、残念ながらここでは使用できませんでした。
★財務分析については、こちらもご覧ください!