【USGAAP】米国会計基準を学習できるオススメ教材・本

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【USGAAP】米国会計基準を学習できるオススメ教材・本

今回は、米国会計基準関係のおすすめ本についてご紹介します。

IFRSと違って、日本語で解説しているUSGAAP本は結構限られています。

いわゆるIFRSのRedbook(日本語版)のような、完全な日本語訳がついた基準書はありません(あくまで米国の会計基準になりますので、一般的にはわざわざ日本語訳版を発行する必要もないでしょう)。

英語の資料も含めればネットから沢山ダウンロードできるのですが、英語で解説している情報を含めてしまうとかなりの分量になってしまうので、とっつきにくくなってしまいます。

そこで、「日本語中心に学習したいけど、実務上の取り扱いなどをちょっと詳しく調べるときに、英語でもいいから参考になる情報が欲しい方」向けに、おすすめの情報源を記載していきます。

米国財務会計基準の実務〈第11版〉 [ 長谷川 茂男 ]

日本語による米基準の解説書といえば、もうこれしかないです。

執筆時現在、第11版が最新ですが、1,200ページを超える分量ということもあり、まさにバイブルとも言えるでしょう。

USGAAPの業務に携わる方、また興味がある方、日本人であれば買うのに何を迷う必要がありましょうかというところです。

 

こちらの書籍について私が実際に使ってみて感じる特徴は、以下です。

  • 米国基準とはそもそも何なのか、その変遷は?といった根本的な話が、日本語で解説されている
  • 訳語(英語⇒日本語)のルールを解説している(原文を読む人にとって参考になる)
  • 各ASCの順番で、それぞれの中身がみっちり解説されている(ただし、それでもUSGAAPのすべては解説できない)
  • 各箇所でASCの条文番号が細かく記載されているので、ASC原文とのリファレンスが良好
  • IFRSとの差異が、ポイントとして並記されている
  • 書店で買える

 

一方で、注意を要する点は以下です。

  • ページ数がかなり多いためか、たまに誤植ではないかと思われる箇所がある。そのため、業務で使用する場合は、必ず原本を確認する必要がある。
  • 日本企業に馴染みの薄いASCは大胆にカットされている(ただし都度理由が示されており合理性も感じる)
  • さすがに業種別の論点であるASC900番台は取り扱っていない

なお、2022年1月現在、12版が発売されています。毎年、版が重ねられています。

 

米国財務会計基準の実務〈第11版〉 [ 長谷川 茂男 ]

価格:10,230円
(2021/3/18 19:40時点)
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最新 アメリカの会計原則(第2版) [ PwCあらた有限責任監査法人 ]

こちらも、書籍の情報源になります。

この本の特徴は、以下になります。

  • 日本語の情報源である
  • 主要な点については、IFRSとの比較のみならず、日本基準との比較が各分野別にコンパクトに記載されている。
  • 「米国財務会計基準の実務」がカバーしていない日本基準との差異の補助的情報として使用可能
  • 適度に挿入されている設例により、理解が促進される
  • PwCの発行という信頼性
  • 書籍として(いつでも)買える

 

一方、この本の注意点は、以下です。

  • 少し古い(第2版は2017年出版)。USGAAPは毎月のようにどんどん改正されているので、追いつくことが必要
  • ページの制限(420ページ程度)もあり、詳細な論点までは捉えきれない

最新 アメリカの会計原則(第2版) [ PwCあらた有限責任監査法人 ]

価格:5,060円
(2021/3/18 20:09時点)
感想(0件)

旬刊経理情報 徹底表解 日・米・IFRSの比較便覧

知る人ぞ知る情報かもしれませんが、旬刊経理情報(リンクはこちら)の、2020年1月10日・20日合併号(No.1567)から、9月までの期間において、「徹底表解 日・米・IFRSの比較便覧」というシリーズが連載されていました。

その名の通り、IFRS・日本基準・USGAAPの3つの基準を、日本語で論点別に比較形式で並べたものになっています。

こちらは個人的にはかなり優れた情報源ではないかと思います。その理由は、以下です。

  • すべて日本語で解説されている
  • 3つの基準を比較表で並べた書物は、数少ない
  • それぞれ、最新の基準書で比較されている
  • 論点別に、会計基準の違い・ポイントをスピーディに確認することが可能
  • それでいて、実務の使用にも耐えうるクオリティがある
  • デロイトトーマツの担当の方がそれぞれのパート別に記載されており、情報源の信頼性が高め

 

課題は、この連載部分だけを購入しようと思っても、すぐには買えない点です。

解決策として、旬刊経理情報の電子版に契約すれば、バックナンバー検索ですぐに閲覧することが可能です。

お勤めの企業や事務所に旬刊経理情報の紙面バックナンバーが保管されていれば、それをコピーすることでも入手可能かと思われます。

旬刊経理情報の電子版は、こちらから契約可能です。

(追記)

2021年8月現在、デロイトトーマツより、この旬刊経理の記事を織り込んだ書籍が販売されています。

「表解IFRS・日本・米国基準の徹底比較」という名称です。

割と高価ですが、3つの基準をここまで詳細に比較した日本語の資料は、比類ありません。700Pくらいあります。

リンクを以下に示しておきますので、担当者の方は、是非購入をご検討ください。

表解IFRS・日本・米国基準の徹底比較/トーマツ【3000円以上送料無料】

価格:7,920円
(2021/8/29 13:07時点)
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Big4の公表物

英語にはなってしまいますが、大手ファームによるUSGAAPの解説は質量ともにむちゃくちゃ充実しています。設例やQ&Aも豊富で、まさに実務で使用するレベルになると思います。

Deloitte

まずはデロイトですが、Road mapシリーズというものがあります(リンクはこちら)。

このロードマップシリーズは、かなり体系的に、かつ詳細にUS基準の内容を説明しています。

それぞれざっと数百ページあり、1000ページくらいに相当するものもあります。こんな重い英文のPDFを見たらとりあえず泣きたくなりますが、その反面内容はかなり充実しています。

各論点ごとにロードマップという呼称で解説されていますので、必要なものをピックアップして使用できます。

EY

EYの解説は、まず「SEC and US GAAP Weekly Update」という題目で、更新の都度ごとに内容が整理されているページが参照可能で、こちらは題目までは日本語になっています(リンクはこちら)。

英語版としては、「Financial Reporting Developments」シリーズが役に立ちます(リンクはこちら)。こちらは、右側でトピックごとに選択すれば、関連する内容が表示されるようになっており、調べたいものがあるときに便利です。

KPMG

KPMGでは、米国会計基準用の日本語案内サイトがあります(リンクはこちら)。
こちらもコンテンツ自体は英語である事が多いですが、このポータル自体は日本語で読みやすくなっています。

米国基準関連コンテンツという見出しにあるのが具体的なコンテンツですが、「ハンドブック」シリーズは、他法人のようにやたら長い文書のシリーズです。かなり読みごたえがあります。

あと、KPMGでは、かなり詳細にIFRSとUSの比較をした書物を公表しています(2020版は、こちら)。それぞれの条文も参照できるため、IFRSで解決策に困ったときに、USではどうなんだろうと調べるときに重宝します。

PwC

PwCも、他法人のように文書による論点ごとの解説書を発行していますが、ここでは少し趣向を変えて、「PwC’s accounting podcast」という、音声による解説コンテンツについてご紹介します(リンクはこちら)。

音声コンテンツを継続して提供しているのはPwCの特徴ですね。

内容は、USGAAPもあれば、IFRSもあります。

結構早口なので、聞き取るのが大変な部分もありますが、基礎的な内容についてポイントをおさえることができるかと思います。何より、会計英語に慣れることができます。

 

BIG4の発行する資料は、USの内容でも日本語で翻訳されているものがネットで公表されていることがあります。諦めずに検索すると、思わぬ情報源に出会えるかもしれません。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

IFRSと異なり、USでは日本語の解説は限られていますが、逆に言うと英語で会計に取り組む機会にはなります。

IFRSの仕事をしていても、必要に応じて原文を参照することもあるかと思いますので、USに接することで、「原文(英語)参照力」も醸成されるかと思われます。

また、IFRSに記載の無い会計論点については、権威のあるUSGAAPを参照して解決することもありますので、USGAAPを勉強することは、IFRSも含めた現代会計を理解することにも繋がります。

USの理解は時としてタフな作業になるかもしれませんが、興味をもって前向きに取り組みたいですね。