監査改革、投資家の立場で

  • 2017年8月18日
  • 2017年8月19日
  • 会計

会計の世界で「ユーザー」(利用者)といえば、財務諸表の情報に基づいて有価証券を売買する投資家を指すことが多い。東芝の監査問題は、利用者を置いてきぼりにした監査業界の内輪の争いの感が否めない。 ジェイコブ・ソール南カリフォルニア大学教授は著書「帳簿の世界史」で、世界的に監査に携わる会計士が専門的になりすぎ、一般から隔絶された存在になりつつある現状に警鐘を鳴らした。財務諸表の利用者の立場に立った改革は各国市場関係者の大きな課題だ。

日経新聞より。

正直これは本当に同意。

今の制度会計は複雑過ぎると思います。

いや、複雑にならざるを得ないのは分かりますが、少なくともユーザーが意味を理解できないのはナンセンスかと思います。

会計士が会計オタクになりすぎてないか!?という問題が一つ。

あと一つは、ユーザー側も会計に対する理解を進め、ユーザー・作成者・監査人が全員が一定の理解度まで到達し、そのレベルで対話ができるのが望ましいかと。

例えば金融商品会計基準とかIFRS9号とか、ある程度ファイナンスの知識が無いと意味不明だと思います。

そろそろそういう時代にきているのではないかというのが私の個人的な意見です。

・税効果会計とその細かい注記とか、過年度遡及した比較情報とこれが正しくないと監査意見に影響することとか、そこに実務家がとてつもない労力をかけなければいけないほど、投資家にとって強いニーズがあるのか!?

・会計士が金儲けのために話を無駄に難しくしているだけでは無いか?!(別の話ですが税務もそのきらいはないか!?意図的に企業の誤りを誘発するような難解な制度設計を目指していないか?!)

・社会全体として、もっと安価なコストで制度を回すことができないのか?!

個人的には上記のような点についても、正当な注意・職業的懐疑心を持っていたいと思っています。

 

ちなみに、上記記事で登場した「帳簿の世界史」は、読み物として結構面白いです。会計士の方に是非ご一読をおすすめしたいです。

帳簿の世界史 (文春e-book)