IFRSによるIPO 2

  • 2017年9月22日
  • 2017年9月22日
  • 会計

日本の会計基準ではなく、国際会計基準(IFRS)を採用した企業の新規株式公開(IPO)が広がってきた。回転ずし最大手のスシローグローバルホールディングスなど、今年はすでに3社が上場した。海外企業と比較しやすいIFRSをテコに成長資金を呼び込む狙いだが、M&A(合併・買収)などの損失が突然出るリスクも潜む。
日経より。

どうせいつかIFRSに変わるんだから、初めからやっといたほうが楽だ、というのが我々会計士の目線になりがちです。

しかし大きな買収をこなしたあと、もしくはこれから実行予定の経営者や株主にとっては、のれんの非償却のメリットが大きなインセンティブになっていると思います。物凄い金額の経費が毎年発生すると、赤字続きのリスクがどうしてもありますので、のれんの償却費は極めて邪魔かと思います。

そんなわけで、M/Aが活発化している最近では、IPO上場が増えているものと考えられます。

一方でデメリットというか、裏の側面もあります。

のれんの減損リスクがあるのは記事の通り。ただ、当然ですが日本基準でも減損リスクはあります。

また、経理的には実務が厳しい。IFRSは色々と日本基準と異なるし、開示も多いし、原則主義なのでちゃんと経理の人が理解してるかどうかというのが重要と感じてます。膨大な基準書を1から読むわけにはいかないので、お金を払ってアドバイザーを付けて、あるいは監査法人に質問するなどして何とかこなして行くのが現実的な対策かと思います。

我々はそのアドバイザーや監査法人の立場ですから、将来経理マンが自ら考えて実務を回して行けるように意識してアドバイスすることが大切ではないかと、自分には言い聞かせてます。

あと、複雑な会計処理などに関して、噛み砕いて要はこういうことだと、説明できる能力が極めて大切かと。