IASBが実務記述書第2号「重要性の判断の行使」と公開草案「重要性の定義」を公表

国際会計基準審議会(当審議会)は本日、重要性の判断をどのように行うのかに関するガイダンスを公表した。この公表物は、企業がIFRSの要求事項をチェックリストとして使用するのではなく判断を適用することを促し、財務諸表が投資者に有用な情報に焦点を当てるようにするものである。当審議会は、財務諸表における「重要性のある」情報の定義の明確化の提案についての協議も別個に行っている。

重要性の概念は、財務諸表の作成において重要である。どの情報を報告書に含めるべきか及び除外すべきかを企業が決定する助けとなるからである。企業は、重要性の判断を、どのような情報を開示すべきか及びどのように表示すべきかを決定する際だけでなく、認識及び測定に関する決定をする際にも行う。

一部の企業は、重要性の判断をどのように行うのかについて確信が持てず、IFRS基準における開示要求をチェックリストとして使用している。行動の変化を促し、そうした判断を行う企業への支援を提供するために、当審議会はIFRS実務記述書第2号「重要性の判断の行使」を公表した。

この実務記述書についてのコメントとして、ハンス・フーガ―ホーストIASB議長は次のように述べた。

「この実務記述書は、財務諸表をより有用かつ簡潔にするためのツールを企業に提供する。しかし、変化を起こすためには、   企業、監査人及び規制機関が協力していかなければならないであろう。」

「重要性がある」情報の定義

当審議会は、本日、「重要性がある」の定義の修正案も、一般のコメントを求めるため公表した。公開草案「重要性の定義」は、定義を明確化し現行の要求事項への理解を向上させるため、IAS第1号「財務諸表の表示」及びIAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」の小幅な修正を提案している。

 

重要性は永遠のテーマですな・・・。

企業に重要性の判断をこれまで以上に強いることになるので、経理が判断する仕事がまた増えますね。適正な開示という目的を達成しつつも、仕事量をうまく減らすこと(重要性でパスする)に繋がればいいと思います。

そもそも重要性などというものは、数多の投資家の判断基準からなるもののはずで、厳密な定義は難しいはずです。それでも判断で設定して出せということなので、企業間で偏りはでますよね。

この話をしたときに、投資家の財務諸表読み取り能力の相違というのも個人的には重要な要素だろうという気がしてます。これが、広く国民が財務諸表リテラシーをつけるべきだ、という世論になればいいな~と考えています。投資教育の話(貯蓄から投資へ)にも繋がりますし、時代の流れとしてはそうなりつつあるのかなと予測してます。

目標としては、高校生くらいの人が、普通に財務諸表とは何かということを理解していて、ビジネスの基礎知識として財務諸表のおおまかな読み方を知っていればいいな~と思います。

余談ですが、高校の勉強って、正直義務教育でもないし、もっと幅広くてもいいのではと思いますね。幅広いというのは、ある生徒が古典とか数学とか一生使わないであろう知識だと判断すれば、そういうのはやらなくてもいい制度であることを含みます。個人的には本当に古典(とくに文法)は不要だった。あれに費やした時間を返してほしい(笑)。